Blog

ブログ

歯のブログ

歯科治療のクラウンとは?その特徴や種類を解説

歯科治療では、クラウンという装置を装着することがあります。一般的には被せ物や差し歯とも呼ばれるもので、いろいろな種類があるのをご存知でしょうか?今回はそんなクラウンの特徴や種類について解説します。また、1本の歯の治療には限界がある点もお伝えさせていただきます。

歯科治療のクラウンとは?

クラウンとは、虫歯や外傷などで歯冠(歯の頭の部分)が大きく壊れた場合に必要となる修復物です。基本的には歯と同じ形をしていますが、厳密には以下の3つに分けられます。

一部被覆冠(いちぶひふくかん)

一部被覆冠は、文字通り歯冠の一部だけを覆うクラウンです。覆う範囲によって、3/4冠や4/5冠などに細分化されます。

全部被覆冠(ぜんぶひふくかん)

全部被覆冠は、皆さんが思い浮かべる被せ物です。歯冠の部分をすべて覆う修復物で、歯の形が忠実に再現されています。

歯冠継続歯(しかんけいぞくし)

歯冠継続歯とは、根管に設置するポストとつながっているクラウンです。専門的にはポストクラウンと呼ばれることもあります。いわゆる“差し歯”の語源となっている修復物ですが、近年はあまり使われていません。

虫歯治療で使用するクラウンの種類

虫歯治療で歯を削った後は、次に挙げるクラウンの種類が選択肢として用意されています。

種類1:銀歯

銀歯は、金銀パラジウム合金で作られたクラウンです。
強度が高く、壊れにくいのが最大のメリットで、見た目が良くない、接着面が剥がれた隙間に虫歯が再発しやすい、金属アレルギーやメタルタトゥーのリスクがあるなど、デメリットの多さが目立つクラウンでもあります。そのため最近では銀歯を白い歯に交換したり、はじめから銀歯を避けたりする患者様が増えてきています。

※メタルタトゥー:歯科治療の過程で歯茎に金属イオンが沈着して黒く変色する症状です。腫れや痛みなどの炎症症状は伴いません。

種類2:硬質レジン前装冠(こうしつれじんぜんそうかん)

※ 当院では「メタルセラミック」と呼んでいます。

硬質レジン前装冠は、ベースが金属でその周りにレジンを盛り付けたクラウンです。一見は、白い歯に見えるため、銀歯における審美障害を回避できます。同時に、高い強度も期待でき、保険が適用されるというメリットも伴います。その反面、レジンの部分が剥がれたり、金属アレルギーとメタルタトゥーのリスクがあったりとデメリットもございます。

種類3:CAD/CAM冠(キャドキャムカン)

CAD/CAM冠は、コンピューター上で修復物を設計し、ミリングマシンという機械でクラウンを削り出す治療法です。白いプラスチックを使用することから、自然な仕上がりです。
CAD/CAM冠には保険が適用されるため、クラウンの治療費を安く抑えられますが、経年的な変色・摩耗が起こりやすい、銀歯よりも外れやすい、割れやすいなどのデメリットを多く伴います。
約2.5年で20%が再治療となる可能性があるというデータがあり、また、最長で4年しかもたないとする研究もあります。
これらを踏まえ、山田兄弟歯科グループでは、CAD/CAM は、現在使用していません。

種類4:セラミッククラウン

セラミックのみで作られたクラウンです。見た目は極めて自然な仕上がりが可能です。虫歯の再発リスクも少ないことも大きなメリットです。
デメリットは、強い衝撃が加わると割れるリスクがあることと、保険が適用されないため費用がやや高くなります。
しかし、銀歯の平均寿命は5年半ですが、セラミッククラウンの再治療の可能性は、5年で5%以下と言われています。長期的にみると銀歯を何度も入れ直すよりも、セラミックを入れてメンテナンスに取り組んでいくほうが将来のお口全体の状態は良くなることをお伝えさせていただいております。

Wellness Dental Clinicでは、セラミックを使用した3種類のクラウンプランをご用意しております。クラウンを作成する技工士が実際に同席して忠実に再現をする「オールセラミックプレミアム」というプランもございますので、絶対に周りに気づかれない自然な美しさをお求めの方にはおすすめです。

■ 1本の歯の治療には限界がある

このように、虫歯で歯を大きく削ったとしても、オールセラミッククラウンを選択いただくことで、天然歯の色調や質感などを忠実に再現できます。しかし、虫歯の再発を繰り返していると、少しづつ削る範囲が広くなっていくので、やがては治療できなくなる可能性が大いにあるということもあらかじめ理解しておかなければなりません。
私たちの歯はとても小さく、歯質の量も限られています。

次の治療では、もうすでに歯の保存が難しくなっていることも珍しくないため、クラウンを装着した後は虫歯予防を徹底するよう担当歯科衛生士と一緒に取り組んでいきましょう。

まとめ

今回は、歯科治療で使用するクラウンの特徴と種類について解説させていただきました。
クラウンはいわゆる被せ物に当たるもので、銀歯・硬質レジン前装冠・CAD/CAM冠・セラミッククラウン・ジルコニアクラウン・メタルボンドといった種類があります。それぞれに異なるメリット・デメリットがあり、虫歯の再発リスクも大きく異なる点にご注意ください。
虫歯の治療は何度も行えないという点から、将来のお口全体の健康を考えた選択をされることをお勧めいたします。

Page Top