虫歯菌の「感染の窓」ご存じですか?
こんにちは。
心斎橋院では、以前から通っていただいている患者様が、出産後、お子様と一緒に定期健診を受けてくださることが多くなりました。
最年少では生後半年の患者様も診させていただいています。
生まれたばかりの赤ちゃんは歯が生えていませんが、どのような過程を経て、口腔内に虫歯菌が定着するか、また、虫歯は虫歯菌が原因で起こる感染症だということは、皆さんご存知でしょうか?
虫歯菌の口腔内への定着時期として、二つの『感染の窓』が提唱されています。
ひとつめは◆1歳7か月~2歳7か月の間(乳歯が生え始め、生え揃う間)
ふたつめは◆第一大臼歯の萌出時期(6歳頃)です。
乳歯や永久歯が萌出することにより、虫歯菌が定着する足場ができるからです。
しかしながら、虫歯菌は歯の表層に定着しますが、歯が生えていない乳児の舌からも虫歯菌のDNAが検出されることや、歯が生える前の乳児の口腔粘膜からも検出されていることから、虫歯菌は粘膜表面にも定着することが分かってきているそうです。
まだ歯が生えていないから大丈夫、と油断しないようにし、ガーゼなどで汚れを優しく拭うようにしましょう。
虫歯菌の感染については、遺伝因子よりも、接触頻度と物品共有環境、その状況に置かれている年月の長さなどの環境因子がより大きく影響することが分かっています。
例えば、同じスプーンや箸を共有する場合、母親の唾液中の虫歯菌が多いと、乳児の口腔内の虫歯菌も多くなることが分かっています。
ちなみに、母親と配偶者の口腔細菌叢は母子よりも類似度が高いそうです。
家族に虫歯が多い場合は、より一層感染に注意し、まずは周りの大人の口腔内環境の整備を整えることや、食事習慣の見直しをお勧めします。
ぜひ、お子様と一緒に定期健診を受けてみませんか?
まだ歯医者の椅子に座れなかったり、お母さんの膝の上から離れられないという場合でも大丈夫です。
小さなうちに、定期的に歯医者さんでチェックしてもらうことが大切 ということを理解してもらえたら嬉しく思います。
本記事作成者
大阪市 心斎橋 WellnessDentalClinic
歯科衛生士 小川